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その他潤滑油 2024.02.22(Thu)

潤滑油の種類と特徴|機械に最適な選択肢を見つけるポイントも解説

潤滑油の種類と特徴|機械に最適な選択肢を見つけるポイントも解説

潤滑油は、金属同士の接触による摩擦などを減らす役割があります。

 

工業機械などには欠かせない潤滑油ですが、さまざまな種類があることをご存じでしょうか。

 

種類が多いため、潤滑油の選び方に迷っている方もいるかと思います。そこで、この記事では、潤滑油の概要、種類や特徴を解説します。

 

また、機械に最適な潤滑油を見つけるポイント、潤滑油の分類などもご紹介します。

 

機械用の潤滑油の選び方に悩んでいたり、潤滑油について確認したりしたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

機械用の潤滑油とは

 

潤滑油は機械の摩擦を減らし、安全な稼動を助けるために使用されます。

 

また、冷却効果も期待できるのが潤滑油です。

 

潤滑油は液体であることから、塗布部分に浸透しやすく、特に高速で動く部品に適しています。

 

過剰に塗布しても効果はさほど変わらないため、スプレーや刷毛で薄く塗ることが推奨されています。

 

潤滑油の種類は多様で、用途に合わせて選ぶことが可能です。

 

【関連記事】食品機械用潤滑油とは?重要性や求められる品質を徹底解説

 

機械用潤滑油の種類と特徴

 

機械用潤滑油は以下の9種類あります。

 

  1. マシン油
  2. タービン油
  3. スピンドル油
  4. シリンダー油
  5. 軸受油
  6. 冷凍機油
  7. 油圧作動油
  8. ギア油
  9. しゅう動面油

 

それぞれの特徴などを解説します。

 

種類①:マシン油

マシン油は、主に機械の軸受けや回転摩擦部分に使われる潤滑油です。

 

夏季用や中期用、冬期用など種類も豊富に展開されています。

 

また、マシン油は、添加物が含まれて折らず、数ある潤滑油のなかでも使用用途が幅広い点も特徴です。

 

原料は石油系の精製鉱油を使いますが、使用される原油によって品質が異なります。

 

種類②:タービン油

タービン油は、水力や蒸気、船舶などのタービンの軸受に使われる潤滑油です。

 

また、添加タービン油と無添加タービン油の2つの種類があります。

 

無添加タービン油は、粘度が温度によってあまり変わらず、水ともよく分離できるので、工業機械など安定した環境で使うことが多いです。

 

添加タービン油は、酸化や泡立ち、錆びや水との混ざりにくさなどに優れていて、蒸気タービンや減速機などに使われます。

 

種類③:スピンドル油

スピンドル油は、低粘度で低荷重に対応できる潤滑油です。

 

紡績機のスピンドルなど、高速回転する機械に使われます。

 

また、小さな電動機や高速機の軸受など、摩擦を減らす必要がある部分に使うこともあります。

 

種類④:シリンダー油

シリンダー油は、高温で高負荷の状況下で使用される潤滑油です。

 

粘り気が強く、火がつきにくいのが特徴です。蒸気機関のシリンダーや弁など、摩擦熱や摩耗が激しい部分に潤滑油として利用されます。

 

ただし、シリンダー油は、発熱量が多いので一度燃えると消火が難しいという点も。また、水をかけると水蒸気爆発の危険性があります。

 

種類⑤:軸受油

軸受油は、機械の軸受に使われる潤滑油です。

 

軸受の摩擦や摩耗を減らし、機械の性能や寿命を向上させる役割があります。

 

軸受油には、添加剤が含まれるものと含まれないものがあり、使い分けが可能です。添加剤が含まれる軸受油は、酸化や錆びに強く、高温や高負荷の環境に適しています。

 

添加剤が含まれない軸受油は、無添加精製鉱油と呼ばれ、純度が高く、低温や低負荷の環境に適しているのが特徴です。

 

種類⑥:冷凍機油

冷凍機油は、冷凍機のコンプレッサーに用いる潤滑油です。

 

冷凍機には、ルームエアコンや冷蔵庫などが含まれます。

 

また、コンプレッサーは、機器の冷媒を圧縮する機材です。

 

冷凍機は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器から構成され、吸熱と放熱を繰り返します。

 

なかでも圧縮機は冷媒を循環させる重要な役割があり、圧縮機内を潤滑させるのが冷凍機油です。

 

冷凍機油は圧縮機から外に吐き出されますが、配管に滞留して油量を一定に保つために圧縮機内に再び戻ります。

 

種類⑦:油圧作動油

油圧作動油は、油圧装置の動力伝達、潤滑、防錆、冷却に重要な役割を果たす潤滑油です。

 

主に建設機械、産業車両、農業機械、一般産業機械などで使用されます。

 

また、油圧作動油は、機械部品の摩耗防止、錆や腐食防止、熱を冷却する効果もあります。

 

一般作動油や難燃性作動油などの種類があり、それぞれの特徴を活かして選ぶことが可能です。なかでもよく使用されるのは、防錆剤や酸化防止剤を添加した一般作動油です。

 

種類⑧:ギア油

ギア油は、機械のギア部分に使われる潤滑油です。ギア油は添加物が含まれるものと、無添加のものに分類されます。

 

添加物には、金属の摩耗や焼き付きなどを防止できる極圧添加剤、錆止め剤、発泡を抑えられる消泡剤などが挙げられます。

 

一方の無添加タイプは、消泡性や防錆性などの効果が高い点が特徴です。

 

酸化安定性、水分離性の高さがあるのも無添加タイプとなります。

 

種類⑨:しゅう動面油

しゅう動面油は、機械の回転部分などに使用される潤滑油です。原料は石油系の精製鉱物であり、無添加なケースがほとんどでしょう。

 

しゅう動面油は、振動現象への耐性、防錆性、酸化安定性などの高さが特徴です。

 

なお、滑り案内面専用のタイプと、油圧作動油と兼用のタイプがあります。

 

機械用の潤滑油を選ぶポイント

 

機械用の潤滑油を選ぶ際は、以下の2点に着目しましょう。

 

  1. 種類
  2. 粘度

 

具体的な選び方を解説します。

 

ポイント①:種類

機械用の潤滑油を選ぶポイントとして、種類に着目することは重要です。

 

なぜなら、機械用の潤滑油には、先述のとおりマシン油、タービン油など、さまざまな種類があり、それぞれに特徴や用途が異なるからです。

 

例えば、高速回転する機器にはスピンドル油が適していますが、高温や高圧下での使用にはシリンダー油が必要です。

 

また、油圧システムやギアボックスなど、特殊な機械には専用の潤滑油が存在します。

 

したがって、機械用の潤滑油を選ぶ際には、機械の種類や条件に合わせて、最適な潤滑油のを選ぶようにしましょう。

 

ポイント②:粘度(流れやすさ)

潤滑油の粘度、流れやすさに注目することも重要です。

 

一般的に粘度が高いほどドロドロとして流れにくさがあり、粘度が低くなるとサラサラして流れやすくなっています。

 

また、潤滑油の粘度は、使用する箇所や環境の温度にも影響します。高温環境では粘度が低く、低温環境では粘度が高くなる傾向です。

 

よって、使用する環境、負荷、運動速度などから総合的に判断し、適する粘度の潤滑油を選ぶ必要があります。

 

【関連記事】潤滑油の正しい使い方とは?最適なオイルの選び方や給油方法について解説

 

機械用潤滑油の粘度の種類

 

機械用潤滑油の粘度は、次の2種類で分類が可能です。

 

  1. SAE粘度分類
  2. ISO粘度分類

 

それぞれの表記や分類について確認しましょう。

 

粘度分類①:SAE粘度分類

SAE粘度分類は、潤滑油の粘度を分類する国際的な基準です。

 

この分類により、潤滑油の粘度が特定の温度でどのように働くかが分かります。

 

例えば、低いSAE番号は低粘度(より流動性が高い)を示し、高い番号は高粘度(より流動性が低い)を意味します。

 

この分類は特に自動車用エンジン油やギア油に広く適用され、適切な油を選択する際の重要な指標です。

 

具体的な表記では「5W-40」のように低温時と高温時の粘度を示す2つの数値を用います。

 

低温時の粘度は「0W」から「25W」、高温時の粘度は「20」から「60」までの範囲で表されます。

 

粘度分類②:ISO粘度分類

ISO粘度分類は、40℃の潤滑油の粘度を示す指標です。一般的に工業用オイルの粘度を示します。

 

例えば「ISO VG 100」のように表し、単位は「mm2/s」です。

 

分類数は20まで設定されており、表示粘度を中心に10%の許容範囲があります。数字が大きいほど粘度が高く、小さいほど粘度が低くなります。

 

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機械用の潤滑油は、さまざまな種類があり、使用環境や機器などに応じて選びます。

 

また、粘度に着目して選ぶことも大事であり、分類の種類を押さえることも大事です。

 

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この記事の監修

椎野 博貴

役職

セールスエクゼクティブ

資格

2級潤滑士
2019年 JAX H1 ANNALYSIS検定 修了
2022年 JAX SALES DIRECTOR PROGRAM 修了

JAX JAPANにて大手食品メーカーや機械メーカーを100社以上担当。潤滑油の使い方をより知るために、米国のJAX本社での研修トレーニングに日本代表として参加。食品業界はもちろん、他業界にも提案を広げ、全体管理とH1潤滑油の国内の拡販推進に携わる。