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その他潤滑油 2023.03.28(Tue)

FSSC22000とは?3つの要求事項と取得できる企業を簡単に解説

FSSC22000とは?3つの要求事項と取得できる企業を簡単に解説

2018年の食品衛生法の改正により、食品衛生への取り組みに注目が集まっています。食品の安全を確保する仕組みとして、「FSSC22000」を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?しかし、言葉は聞いたことがあっても、どのような仕組みなのかや詳しい内容など知らない方も多いようです。そのような疑問を解消するために本記事では、FSSC22000の基本的な知識や3つの要求事項についてわかりやすく解説していきます。

 

FSSC22000とは

FSSC22000とは

 

FSSC22000は、食品を安全に消費者に届けるための国際的な決まりです。ベルギーで設立された非営利組織である、国際食品安全イニシアティブ(GFSI)によって承認されているのも特徴のひとつといえるでしょう。GFSIは、異物や細菌の混入を防ぐ食品防御の考えを取り入れた、食品安全管理の仕組み基準を設けています。FSSC22000は、この基準をクリアした規格として注目を浴びています。

 


出典:一般社団法人 日本品質保証機構

 

FSSC22000は、ISO22000を土台とし、HACCPの衛生管理やISO9001の品質管理の手法を取り入れた食品安全規格です。なお、FSSC22000は製品の品質を保証するものではなく、あくまでも食品の安全性に特化しています。2022年6月時点で全世界において約29,200件の登録があり、そのうち日本では約3,000件の企業が登録済みです。食品への安全性が求められている今、FSSC22000の認証を得ようと考えている企業は、年々増加傾向にあります。

 

FSSC22000の読み方

FSSC22000は、「えふえすえすしーにまんにせん」と呼びます。「Food Safety System Certification」の頭文字をとって名付けられました。

 

FSSC22000の要求事項は3つに分類される

FSSC22000の要求事項は以下の3つに分類されます。

 

  • 要求事項①:ISO22000
  • 要求事項②:前提条件プログラム
  • 要求事項③:追加要求事項

 

それぞれを詳しくみていきましょう。

 

要求事項①:ISO22000

ISO22000は、食品の安全についての国際的な規準です。HACCPの衛生管理とISO9001の品質管理を組み合わせ、食品の安全を継続的な改善を期待できる仕組みとして活用されています。そのためISO22000の取得によって、食品事故の発生を減らし、事故防止へと積極的に取り組んでいるアピールにもつながるでしょう。

関連記事:ISO22000とは?要求事項や取得できる企業についてわかりやすく解説

 

要求事項②:前提条件プログラム

前提条件プログラム(PRP)は、食品に関わる事業に向けた危害要因の分析・管理における国際的な規格です。前提条件プログラムのおもな内容としては、企業側が取り組む7S活動(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ・洗浄・殺菌)や、食品の温度管理の徹底などが挙げられます。この前提条件プログラムは、ISO/TS22002と呼ばれており、食品製造や農業などカテゴリごとに分類されています。

 

要求事項③:追加要求事項

FSSC22000は度々、要求事項が追加される傾向があります。なぜなら、大きな食品事故が発生するたびに対策の方法が追加されるからです。食品事故を繰り返さないための対策として、企業側は追加された要求事項の実現が求められています。しかしISO22000では、意図しない異物混入や第三者による食品事故や会社を巻き込んでの食品偽装には対応していませんでした。そのためFSSC22000では、食品に対する脅威となる問題を洗い出し、できる限り軽減させる方法の実施を追加要求事項として定めています。追加要求事項の遵守によって、より高い次元での食品の安全が期待できるでしょう。

 

FSSC22000を取得できる企業・組織

FSSC22000を取得できる企業・組織

 

FSSC22000は、以下の8つのカテゴリ(業種)を対象にしています。

 

  • 畜産・水産
  • 食品製造
  • 食品包装及び包装材の製造
  • ケータリング
  • 動物の飼料製造
  • 流通
  • 輸送及び保管サービスの提供
  • 生化学製品の製造

 

この8つの中でも、食品の製造や加工を実施する食品製造、食品に触れる包装材の製造、イベント向けや学校給食も含むケータリングでは、主要カテゴリとして認証の取得が進んでいます。近年では食品の安全を、生産者から消費者に届けるまでの一連の流れとして、幅広い分野での認証取得が可能です。

 

FSSC22000とHACCPの関係性

HACCPとは、国際的に取り決められた衛生管理方法のひとつであり、食品を安全に消費者まで届ける仕組みづくりの規格です。認証や申請は必要なく、手順書の指示通りに対応を進めることで導入できます。一方、FSSC22000には明確な基準があり、認証を受ければ食品の安全に取り組んでいることのアピールが可能です。なお、FSSC22000の中には、HACCPの食品安全の手法が含まれているため、認証を受けるために理解しておく必要があります。例えば、潤滑油の使用を考えてみましょう。HACCPでは、潤滑油の使用における危険回避順序を下記のように示しています。

 

  • A.潤滑剤を使用しない
  • B.潤滑剤が漏れない・触れない対策
  • C.偶発的接触が許容される潤滑剤の使用

 

HACCPの基準をクリアしていない潤滑油(AまたはB)が混入した場合、製品がリコールとなってしまうリスクが発生します。

 

FSSC22000の認証を目指すなら、HACCPの基準を満たすCの潤滑油の使用が必要です。なお、JAX-JAPANの潤滑油は、CをクリアするNSF H1認証を取得しています。

関連記事:食品の衛生・安全を守るHACCPとはどんな制度?義務化の時期や手順を解説

 

FSSC22000の3つの特徴

FSSC22000の3つの特徴

 

FSSC22000の特徴として、以下の3点が挙げられます。

 

  • 特徴①:GFSIが承認したスキームである
  • 特徴②:非通知審査を受けなければならない
  • 特徴③:バージョンアップの頻度が高い

 

それぞれの詳細を確認しておきましょう。

 

特徴①:GFSIが承認したスキームである

GFSIは、安全な食品を消費者に届けることを目的とした民間団体です。認証を得るためには、ガイダンスを遵守し、要求事項の徹底が求められています。

FSSC22000は、GFSIが認証したスキーム(仕組み)のひとつです。国際的にも認められたGFSIの認証スキームは、食品の安全に積極的に取り組んでいるアピールにもつながるでしょう。

 

特徴②:非通知審査を受けなければならない

FSSC22000は、「原則として3年に1回以上」GFSIの審査員による非通知審査を受ける必要があります。非通知審査は、GFSIガイダンスに沿った食品の安全への取り組みが、「日常的に実行されているか」を確認するためのものです。非通知審査を拒否することも可能ですが、認証はすぐに一時停止され、6ヶ月以内に審査を受けないと認証を取り消されてしまいます。FSSC22000を定着させるためには、企業における全体の取り組みとして、日常的に食品の安全への意識を持つことが重要です。

 

特徴③:バージョンアップの頻度が高い

FSSC22000では、重大な食品事故が起こった場合、その対策としてGFSI独自の要求事項を追加します。そのため、国際基準のISOは8年程度で改定されるのに対して、追加要求事項は1〜2年で追加されることも珍しくありませんFSSC22000もGFSIガイダンスの遵守が求められるため、追加された要求事項を満たすためにバージョンアップが必要です。

なお追加要求事項は、次回の審査までの対応で支障はありませんが、対応に時間がかかる可能性もあります。そのため、追加要求事項が発表されているかどうか、率先して情報を収集してください。

 

FSSC22000認証取得企業から製品を購入するメリット

FSSC22000認証取得企業から製品を購入するメリット

 

FSSC22000の認証を取得している企業から製品を購入することで、自社製品の安全性の担保が可能です。消費者に安全安心な製品を提供できれば、企業の評価向上やイメージアップにも期待できます。また、自社でも食品安全規格の認証を検討している場合、自社製品の原料や製造機械の安全性を確保しなければなりません。そのため、FSSC22000の認証を取得している企業からの製品購入が認証取得への実質的な足掛かりになります。さらに、安全性の高い製品を取り扱っている証明ができれば、ビジネスチャンスが増えるのも大きなメリットです。国際的な食品安全規格をクリアできれば、国内だけでなく海外への販路拡大にも期待できるでしょう。

 

まとめ

FSSC22000は、安心安全な食品を消費者まで届ける仕組みの規格です。HACCPやISO22000の手法を取り入れ、食品の安全性を高めるためのバージョンアップが求められています。

ガイダンスを遵守した運用が必要ですが、取引先企業や消費者との信頼関係を築くため、多くの企業がFSSC22000を導入しています。

自社製品の安全性を高め、その取り組みを効果的にアピールしたいと考えている方は、FSSC22000の取得または取得済み企業からの製品購入をご検討ください。

 

まとめ

 

FSSC22000の要求事項には、HACCPに基づく食品安全管理が含まれています。そのため認証取得を検討している場合、HACCPへの理解と対応が必要です。もちろん食品への衛生管理も重要ですが、FSSC22000の認証取得を実現するためには、食品機械用の潤滑油にもHACCPの基準を満たす製品を使用しなければなりません。そこでおすすめしたいのが、HACCPの危機回避順序Cに該当する「NSF H1規格取得済みJAX JAPAN製品」です。FSSC22000の認証を取得するために自社工場における衛生管理の基準を引き上げたい事業者様はもちろん、より安全・安心な製品をお客様に届けたいとお考えの事業者様も、ぜひ活用をご検討ください。

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この記事の監修

椎野 博貴

役職

セールスエクゼクティブ

資格

2級潤滑士
2019年 JAX H1 ANNALYSIS検定 修了
2022年 JAX SALES DIRECTOR PROGRAM 修了

JAX JAPANにて大手食品メーカーや機械メーカーを100社以上担当。潤滑油の使い方をより知るために、米国のJAX本社での研修トレーニングに日本代表として参加。食品業界はもちろん、他業界にも提案を広げ、全体管理とH1潤滑油の国内の拡販推進に携わる。